少年は停止していた、木を演じていた 舞台の上で物語を繰り広げる級友たちを目の前に、観衆の視線を集めるともなく見られながら、木であった 少年はこれは自分のためにある役だと思った それからというもの、昼休みや放課後に時間を見つけては木になった 静…
くたびれて粥を掬う 夕焼けの後もこの世は騒がしい 音の遠く抜けてゆく地上にあって 私たちはこうも肩を寄せ合っている この手が、目が、あるいは、思いが、連綿と交わされている (私はどこまでかわからなくなることがある) 今、この手は、粥を掬う 極めて小…
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