朝ノオト

空想に遊ぶ

時間が止まるほどの一瞬にずっと晒されていたい

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今日、バイト終わりのエレベーター前でとても魅力的な人とすれ違って、あまりにも素敵で時間が止まったように、ただただ見とれてしまったあの一瞬のことが書きたかっただけ、本当にただそれだけ。

あまりに素敵な瞬間があまりに突然やってくるもんで、あの瞬間を僕は、ちゃんとそれらしい姿勢で、表情で迎えることはできなかった。多分、鳩が豆鉄砲を食ったような間抜けな顔でいたに違いない。自分の姿は自分には見えないのだけれど、それでもわかるものってのがあって、あの時、僕は完全にきっと思考停止していた。女性の顔を通りすがりにまじまじと眺める行動がその証明出し、なんなら口も開いていたかもしれない。それほどまでに吸い込まれそうなほどのあの大きな瞳の印象だけが忘れられずにいる。もうあの女性の顔も思い出せないのだけれど。

あの人が誰だったかとか、どうでもよくて、来週も会えるといいななんて考えたりするのだけれど、それも結構どうでもよくて、大事なのはあの、一瞬がすごく絶対的で没頭する感覚で、記憶する暇もないくらいに経験したあの一コマ一コマの充実感なのだと思う。僕は間違いなく、ああいう瞬間のために生きている。思い出せもしないあの時間のためだけにいつでも思い出せる平凡な日常を生きている。

ただただ、自己矛盾を感じるのが、最高の一瞬のために生きているのに、それを最高の状態で迎えられない、あるいは最高に合わせて僕自身も最高になれないことで、だからこそ、とびきり魅力的な女性の横をバカな顔して通りすがってしまったりもする。

せめて背筋を伸ばしたいね、口を閉じたいね、できればちょっと微笑みかけたりもできるような人間になりたいね。

不意に訪れる絶対的な瞬間のためにできることは、日常から自己ベストでいることただそれだけだが、逆に、あのとりとめもなく続く日常があの瞬間との境目、波打ち際であることもまた事実で、輝き出す。

そんなことを書いてる僕はお昼を済ませて眠い顔でPC前に座っているし、シャワーも浴びずにブログに取り掛かったもんで、足もなんだか臭い。さしあたっては、シャワーに行こうかと思うけれど、この腹回りの肉も、例えばあの女性の横を通り過ぎるのには不恰好すぎるようなので、少し河川敷を歩いてこようか。近所の河川敷とはいえ、素敵な人に会えるかもしれないのだから、あの瞬間がやってくるのかもしれないから、ちょっとちゃんとした格好で行こうと思う。