2020-07-30 「肉薄」 毎日の詩 鏡の前であなたは耳を貫いてゆく 首元にちいさな石をあてがっている 光るそれらを覗き込んでいる、少し不安げな顔がこの世で美しい ゆらいでいる、致命的な境界で 薄い肉体の表面を曝している わたしはこれに似合うかしら わたしは世界でちょっと良いかしら あなたが鏡に映っている あなたにしか見えない淡い 薄い肉体の表面を試している 死んでしまいそうな、おめかしの瞬間 鏡の前のあなた達は美しい わたしはこれに似合うかしら わたしは世界でちょっと良いかしら わたしはきっと わたしはきっと