朝ノオト

空想に遊ぶ

「肉薄」

 

鏡の前であなたは耳を貫いてゆく

首元にちいさな石をあてがっている

光るそれらを覗き込んでいる、少し不安げな顔がこの世で美しい

ゆらいでいる、致命的な境界で

薄い肉体の表面を曝している

 


わたしはこれに似合うかしら

わたしは世界でちょっと良いかしら

 


あなたが鏡に映っている

あなたにしか見えない淡い

薄い肉体の表面を試している

死んでしまいそうな、おめかしの瞬間

鏡の前のあなた達は美しい

 


わたしはこれに似合うかしら

わたしは世界でちょっと良いかしら

わたしはきっと

わたしはきっと