2020-08-22 「大きい魚」 毎日の詩 くらいみずのなか 手当たり次第に抱きしめて掴む輪郭 たしかであって、濡れている 今日はおまえだとしている 喚いても描かない受肉しない ゆえに抱きしめられない 震える体表を想像する 子どものころ裸足で踏んだ蚯蚓のこと もういない人を思い出す くらいみずのなかに揺れる 大きい魚、ぬらりと柔らかい鱗として 指先にすこし触れれば、 心惹かれるほど震えている