朝ノオト

空想に遊ぶ

「八つ当たり」

 

水泡、聞ゆ

花咲く震え、あさき夢

底で、底で、息留めて

 


かたや無粋な人の暇

鉄に似て、鐘

意味意味意味が鳴つている

無遠慮な拍子、やかまし

 


楽しき打つ手、かんかんかん

知りたる音とて新しく

きけやきけやとふれ回る

 


(何が面白いんですの?

何が面白いんですの?

ふやけた餓鬼が嗤っている)

 


あな、息苦し、やかまし

グイと引き込み、水の底

あな、息苦し、泡立ちて

息継ぐ間に間に、顔の乾く

はや水は冷えにし

 


人、すいと潜りて、より深き底

耳を寄せ、知らぬ音を聞く

われら二度とまみえることぞなかりけり

 


(まだ餓鬼が笑っている

私はというと濡れたシャツを絞っている)