2020-09-30 「回転扉の数首」 毎日の詩 日陰から冷たく丸い石集め 死に損ないの夏を越したい 思い出と交わせるものがありません 画面に映る私の笑顔 遡り気配の消えた通信に 冷たくなつた黒い板くれ そう君は時計をつけない緑のお酒 飲んだ夜はわざとでしたか 落ち着かず時はそらで計れないので 壁の時計を振り返る すんと冷え、道には蝉もなくなつて 洗われた季節、知っている街 寝て覚めて痛くも痒くもない体だけ 残っていれば善いと思う まだ少し寂しく思う散らかった 本棚には黄色い雨