2020-11-20 「わたし」 毎日の詩 たとえば顔を洗って見上げた鏡に 祖父の骨が映っている 仕事終わりの靴下の匂いの中には 父と弟がにやけていて 台所のあちらこちらには 母が動いている やがて、眠りすぎる枕の上で 幼き日のわたしが落ちてゆく 寂しく感じて小さくなる体には あなたの気配を感じている わたしは強がりでもあるので ふと背筋を伸ばしてみたりする