朝ノオト

空想に遊ぶ

「わたし」

 

たとえば顔を洗って見上げた鏡に

祖父の骨が映っている

 


仕事終わりの靴下の匂いの中には

父と弟がにやけていて

 


台所のあちらこちらには

母が動いている

 


やがて、眠りすぎる枕の上で

幼き日のわたしが落ちてゆく

 


寂しく感じて小さくなる体には

あなたの気配を感じている

 


わたしは強がりでもあるので

ふと背筋を伸ばしてみたりする