朝ノオト

空想に遊ぶ

「祝福」

 

おまえのあまりに鋭利な退屈と言葉は

おれの心臓にだけ向いていればよい

いつでも人に流れる温度を思い出させよう

 

おまえのあまりに純真な疑いと絶望は

おれの目玉いっぱいに注げばよい

空気にさらされねば果てぬなら、この目で

 

おまえのあまりに美しい、朝日と月夜への憧れは

おまえの枕元にあるガラスの瓶に秘めておけ

瑞々しい緑のように吸いこんでおまえは、人知れず伸びゆく

 

おまえのあまりに白く柔らかい優しさで

朝日の眩しい時間から抱きしめて欲しい

その腕の香りが窓の外の鳥を鳴かせ

その肌が夜の遠い冷たさを包み込んで朝にする

 

おまえは祝福されるべきものである

 

おまえは祝福されるべきものである

 

おまえは温かいベッドで眠ればよい

おまえには美しい朝と夜がやってくる