朝ノオト

空想に遊ぶ

「朝がたの窓」


朝起きて、玄関ドアの上の窓から太陽が入ってくるのを見るのは好き。寝るのが好きだから朝を期待したことは別にないのに。それ以降はよく覚えていない。

寝起きの、まだ体が浮ついている頃にあの光を見ると、とてもゆるされているという感じがする。無意味さが美徳のように、がらんとして輝いているから。

鳥が鳴くのもそうだけれど、ドアの向こうでは朝の音がしていて、出発前の住人がポストを開け閉めする空気たっぷりの金属音が少し好きだ。

まだ眠たいから、遠くにまでに及ぶ連想や言葉がなくても、世界が十分に広い感じがする。そういうところから、この窓に光が届いていると当然のように思う。