2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
310 2021/05/12 愛が弱くなってしまうことがある 吹けば消えるような、凍えるような気持ちになることがある こんな様子じゃ愛ではないのか、どこまで強ければ愛と呼べるか その感情は確かでないが覚えている、一貫していないことが心苦しいと思った 犬が弱く…
309 2021/05/11 新しい生活が知らない街ではじまる 知らない街のことを知らないまま 知らない店のことを知らないまま 新しい暮らしは進んでゆく 新しい生活が知らない街ではじまる 知らない人のことを知らないまま 知らない出来事を知らないまま 新しい朝が…
308 2021/05/10 信号を次も次も青くしたい 電車が空いてるように運命をいじっちゃって ぜんぶの横縞を縦縞にしちゃって いつも視界にさわやかな緑を添えたい、温かい土も 小さい鳥に愛されちゃって、街ゆく犬猫もあなたに夢中な展開 爽快、お元気かい?返事…
307 2021/05/09 長い休みが終わる、季節が変わっている、シーツを替える、庭の草を刈る、新しいことが始まってゆく、新しいこともはじめたいわ たくさん本を読まなくちゃ、時間をかけて書かなくちゃ、ぴったりのYouTube動画を探したり、いい感じの機材をAmaz…
306 2021/05/08 部屋に大きすぎる緑を買おう 大きければ大きいほど、多ければ多いほどよい 植物たち。 大きすぎるので、もうどうしたらいいかわからない なので各々好きなところにいて欲しい 歩き回ってくれてもよい 息が詰まったら窓際に行って、そう言う気…
305 2021/05/07 また一つ憂き世のため息あつまる鈍色ガ池 二度とは戻れぬ春の夜の夢 朝の来ぬ霧のなか、三千世界の鴉もろとも湿った肌で微睡み続ける ありし日々は脆くここでは四季が褪せて白けた 月が巡るころ逸る鼓動だけ五月蝿い 嘆きながらも六道を思う…
304 2021/05/06 肌の温まる速度とこの部屋が、あるいは通り抜ける風が温まったり冷めたりする速度がちょうど嫌じゃない感じだ 必ずしもちょうどがいいわけでもなく、少し違う方がよい 私と私以外のものがわかるような温度でよい 湯船がちょうど人肌になった…
303 2021/05/05 「生活」 緑に包まれる場所が良い ふとした拍子に僕が死んでしまっても、蛆虫が湧いた後、草が生えて花の咲くようなそういったせめぎ合いのある場所に暮らしたい ぼんやりしていると机が土に還ってしまうようなところにあって、僕はかき集め…
302 2021/05/04 「発酵」 息を止めて、見つからないように 息を止めて、漏れてしまわぬように 息を止めて、消えてしまわぬように 言ってしまうまえに、見せてしまう前に、触らせてしまう前に、わからせてしまうその前にもう少しだけ、ここで息を止めて 少し…
301 2021/05/03 「迷宮(途)」 濡れたコンクリート 繰り返す酩酊 藤棚の迷宮 途絶えたなら途絶えたなら全いか 果たしたなら果たしたなら安心か crawl in my life. crawl in my death. 行き行けど囚われて立ち尽くす生命の檻 かき分けて目眩して擦過する生命の…
2021/05/20 宇宙とかそういうの長い長い退屈があって 夜の空はこんなに静かで、その上は空っぽらしいので きっと2兆年とかそれくらいの退屈があって いまはわたしがいる 何かがあるとき たぶんそれ以外があって いまはわたしとそれ以外がいる わたしとわたし…
300 2021/05/02 いぬいぬねこ まる たわしわしわし まる ねこねこころり かねがりんぐ まる ところてん てん たんたんめん まる てん まる てん まる てん てん たいよう まる よるはそのまま てん くらい てん しずかなところに ぴよ いけたら こけ いいの…
299 2021/05/01 今、このくらいの!メタルラックが欲しい。 ちょうどこれくらいが良い 空間にできるかぎり構造体がないまま、鍋や調味料を支える板が欲しい それはメタルラック メタルラック、無骨で薄い構成 メタルラック、高さが変えられる メタルラック、…
298 2021/04/30 本棚のそこにある背表紙、横で見つめる仮面の目、最寄駅のホームから見える広告、車窓からいつも気になっている建物、たまに見かける小さな蜘蛛、17時に聞こえてくるチャイムとアナウンス、いつも掃き掃除をしているおばあさん、高架下のタイ…
297 2021/04/29 主旨を伝えたい 主旨を伝えたい 主旨を伝えたい 主旨を伝えたい 主旨を伝えたい とても
296 2021/04/28 あたらしいシェーバーを顎にあてがう あたらしい音の振動がある あたらしい金属質の触感がある あたらしい柔らかさと冷たさがある あたらしい朝の感じがある あたらしい仕上がりがある あたらしい肌触りへの興味がある あたらしいよくデザイ…
295 2021/04/27 このくびれた部分の中に臓器が詰まっている やわらかい肌を伝って膨らんだところにも中身が詰まっている 大きくとも小さくとも同様である あやうく繊細な統合 すっと刃物を入れれば、内臓が溢れ、血が出る 指で触れば柔らかく変形したり、し…
294 2021/04/26 ヘアライン、 たくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさんの爪先より細く並行に刻まれる線 やべえ 髪の毛、 たくさんのたくさんのたくさんのたくさんのたくさ…
293 2021/04/25 きっと何か生きているものであったり、そうでなくとも形あり日を浴びていたものが解けて今、黒くて甘い匂いのする土になっている 雨に降られたり日に温められたりを繰り返してふかふかのまま忘れてゆく 手とか脚、そういうものがあったような…
292 2021/04/24 春の嵐 新じゃが新たま新キャベツとか もふもふのほまれを、触って 予期されて、ある温度に至って 夜の後には朝が来る 生きていれば腹が減る 花もいつか枯れるような 季節は押し出され、弾けて軽く 水が流れる、鳥が鳴く、花が咲く、体温が解…
291 2021/04/23 夜が気づいてしまわぬよう まだみぬ明日が目覚めぬよう わたしのためにわたしのために 沈澱した街を踏み歩く 鎮まったビルに響かせる 吹き抜ける5月の風はわたしのもの 真っ暗、静かな目抜き通りとト音記号 わたしと道と鉄とコンクリート 誰…
290 2021/04/22 裂開、ズレた穴、こだまする おまえの声はおれの声 まだ聞いたことがない でかい服、アクセサリーと酒で揺れる Free hug、転がる板の上、不安定 たとえば そうストレスフル 知らない人と話したいし 食べたことないもの食べたい 聞いたことな…
289 2021/04/21 両の目玉をくり抜いて この春、最初に咲いた青い花を浮かべた鉢に沈めます 耳を澄ませていれば、重力が落ちてきて全ての音が止む瞬間が来るので、眠ります 夢を待ってください 上から下までの歯が鳴ると 右腕が風に靡くので空を高くする 飛行…
288 2021/04/20 誰かの視線とエンジンが駆けめぐる外の空気の扉のこちら 部屋に灯りを、花瓶に花を 長い夜は音楽で終わらせて 温かい布団の中で丸く眠る すこし髪の毛が伸びる
287 2021/04/19 完全な表面で転げ回っている時にはなくて それを失ったとき私たちは断面を得た 指先で滑らかな肌をなぞるようにバラバラになったひとつひとつの輪郭を記憶して辿るけれど、時にそれはこの指を切って痛い ピタリとはまるふたつを見つけては安…
286 2021/04/18 よく眠った朝の背骨にある 晴れた日の芝生の上の胴の中にある 焼けた肉を咀嚼する顎から伝って脳の中にある コンビニの甘いコーヒーフラッペで冷えた口の中にある 西日が揺れる空いた電車でくたびれるお尻の中にある 鋭い刃物で木を彫る指の…
285 2021/04/17 バターで焼いた2枚のトーストにピーナッツバターをたっぷり塗って、カリッと焼いたベーコンと、洋酒で香り付けたバナナを挟む これがエルヴィスのサンドイッチ 甘くてしょっぱい、うまいやつ エルヴィスが愛したやつ 食べてお腹がいっぱいに…
284 2021/04/16 荒い壁に囲まれて荷台は進む 寄れど暮らせどぬるくなり 体温さえ熱く倦む やわらかい肌はやわらかい肌と摩擦した 果実、われらうつくしき果実、それぞれに ひとところに在るためではなく ひとつ実って、ひとつ落ちゆく おまえは鳥、あるいは…
283 2021/04/15 反りくり、反りくり、反りくり 体しかないわ、表面まで、先まで 海の底、エビエビ 虫じゃない、エビ 反っても反らなくても、エビ カニじゃない、エビ 反りくり、反りくり、反りくり 体しかないわ、表面まで、先まで エビエビエビ 体しかないわ
282 2021/04/14 P氏の家にはいろいろ揃っている 電子レンジに音波ラック 光線ベッドもあれば電磁トングも 最近は中性子グリルもやってきて 反物質シンクは来週届く 快適な生活 いつでも寝床は清潔で柔らかい 埃も汚れも忘れるような美しい機構があり ポイと…