朝ノオト

空想に遊ぶ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「桃」

桃、モモ、ももも、桃・桃、もももも…! 冷蔵庫で冷やしておいて、桃を食べる 桃はとてもおいしい、これはうまい 桃が何かといいますと まずは嬉しいものであります、口に入れて潰してみれば、諒解されるたぐいのものです あまずっぱい水滴が集まった、そう…

「肉薄」

鏡の前であなたは耳を貫いてゆく 首元にちいさな石をあてがっている 光るそれらを覗き込んでいる、少し不安げな顔がこの世で美しい ゆらいでいる、致命的な境界で 薄い肉体の表面を曝している わたしはこれに似合うかしら わたしは世界でちょっと良いかしら …

「ていねいなくらし」

枕さんありがとう、ベッドさんありがとう、メガネさんありがとう、スマホさんありがとう、Twitterさんありがとう、スリッパさんありがとう、靴下さんありがとう、ふすまさんありがとう、フローリングさんもありがとう、鏡さん、LEDライトさんありがとう、蛇…

「経過」

山の奥、柔らかき黴の萌ゆる 目撃者不在に伸びる梢にも朝日 想いびとも目覚めては糞をした ひとり暮らして いつかの野菜を腐らせて 液化して何になる 未読無視 断たれたとて 断たれたとて 開くヒラクひらく 萌ゆるモユルもゆる 解けるトケルとける 未読無視 …

「ラブ」

めっちゃ好きです! ショートケーキだとしたら、苺をあげたい というか丸ごと、わたしはさっき食べたので 季節のフルーツを、今なら桃を、全部丸ごと差し上げたい うだる夏の暑さを楽しんでくれたなら あなたが想像の中で動いてく 未来も全部、いちいち、で…

「溢る」

景色の向こうで川が 私の手では、頭では敵わない 気がづけばたち消える 窓の外で風が 椅子のこちらでわからない シャツが落ちて慌てる 映像のこちらで私が 電波の声は、混ざらない 取り返しがつく瞬間をもう一度 熟考して、あるいはせずに 取り返しがつく間…

実験詩集「あなたは渦渦、僕は手のひらの隙間から」

お久しぶりの投稿です。 近況報告。 ここ2週間ちょっと、毎日一つずつ詩を書いてとあるグループチャットに投稿するという試みを続けてきました。 何故こんなことをしているかというと、自分の詩が手ぐせやその範囲内の発想でやりくりするだけのものになって…