「野生のドレス」
363
2021/07/05
生まれたわ、わたし、また、水にかえします
また一度、また一度、また一度
晒して、晒して、晒して、仄かに光る可能性、溶けたベイビーちゃんたち
「暗い詩を書いている場合ではなく」
「明るい未来が待っていることを歌いましょう」
たとえばこれはひどい嘘
あらゆることが間違ってちぐはぐなのです
わたしが光るなら
わたしが光るなら
この夜が暗いことを知らない葦みたいよ
目がないから吸って吐いてして
わたしが光るなら
わたしが光るなら
この日々が淡い粒子を留めて膨らんでいる
溢さないまま、たゆたゆ夢みていて
望まれて(望まれなくても)
わたしはここにいる(わたしは死んでいく)
分かっても(分からなくても)
光っている