「composition #5」
首の後ろに柔らかい毛玉を据える
並んだ感触が寝床を描いて
夢の味を思い出す
あらゆる倦怠はどこからやってくるのかと言うことを考えたい
それは前向きなことなである気がするから
おまえは疲れているが、きっとここよりも良いところからきたんだろう
死神がときに黴臭い不吉な気配を帯びてくるのに比べたら
物言わず黒い穴を残してゆくことに比べたら
おまえはやさしく蕩けさす
倦怠は
布や綿から
温い部屋から
在りし肌から
倦怠は
柔らかいところからきて
また首筋をかすめる