2020-10-06 「るる」 毎日の詩 融ける時計 猿が果実を振り回す 水牛は流れの中に夢を見て 日陰がいつしか乾いていた 喉の奥に咳の気配を抱えたまま 正体不明、知らぬ時間へ 古くなった食べ物を食べること 不健全な解離を飲み込んでは償うように 食む、食む、食む 眠りながら、目覚めながら、どちらでもなくとも 蟻の群れ、漂う鳥、犬ははしゃいで 痩身の哀、盲信の他意 揺蕩うて、湛えて、たぷたぷと 融ける時計 猿が果実を振り回す 水牛は流れの中に夢を見て 日陰がいつしか乾いていた