朝ノオト

空想に遊ぶ

「溢れるピアノ」

 

鈍痛は長く 水中で明滅 汗、途切れずに深く眠る

 

蝋燭の火 煤の上がるとき 窓の外を見た

机の上 震える青は重く 崩れるゲルのようだ

鋭利な巻尺で朝の影を測ろうとする 盲目の犬 黒い鼻が頼りです

慎重な動きが糸を張っては跳ねた

 

窓の外からほのに降り注ぐ

白い手 街の音は不揃い 爬虫類の動きに留め置く

平らなキッチンの床には清潔な石が転がっています

また碧色の爬虫類が歩いてくる

あなたと無機物 キッチン 印象 を照らす

余白に無音を置いてゆくうちに明転 

またひとつ花瓶

 

朝日のさす 床があたたかく 足音は柔らかにはね返る

根の生えたベッドで生き物が呻く