おれはキャベツ 葉脈に甘い汁を巡らせて元気 一枚一枚、重ねていたら丸い おれはキャベツ 朝露にシャキッと土は濡れていて元気 一夜一夜、明けるときおれのもの おれはキャベツ お天気の青い昼に刈り取られ元気 一片一片、食べられても答える
薫るもののことをわたしは首で支える、生まれたての生き物のように 記憶の中でそれはよく育ちすぎたと思っている 熟れた果実はこの指に柔く 陽光を吸いこんでまだ温かい 表面は剥かれるために潤い 皮と肉の間、滑らかに指が通る ふたつに割れるとき、溢るる…
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