朝ノオト

空想に遊ぶ

「民族A」


歌う、沈黙して電子の歌を

展開して、激化する

なおも血生臭い祭り

 


ありえない命が生まれて死んでゆく

電子で愛を交わし、ときに心臓を穿つ

 


ありもしない命が交差する

触れた気持ちが生まれる

不可視の熱線に焼かれる

 


人々はなおも周密な動作を続ける

蠢く蟻を想像することもないままに、命の形を知っている

あまりにも簡単に命の真髄に寄与しているが、電子の祭りは終わらない

 


知らない異形が認知の外で混ざり合ってリンクする、血を吐く内臓、濡れる皮膚、共鳴した性器

 


歌う、沈黙して電子の歌を

展開して、激化する

なおも血生臭い祭り

 


ありえない命が生まれて死んでゆく

電子で愛を交わし、心臓を穿つ