朝ノオト

空想に遊ぶ

「白昼の月」


金玉、あるいは性器、静止している

遠い世界で、青い霧中で、いつでも見えるところで

 


乾いた肌、薄い身体

肋骨が浮いている、背骨が曲がっている、腹に脂肪が付いている

 


さりとて愛しているのだろう

その美しさゆえでなく、興味深さゆえでなく

 


いつでも見えているから、知っているから、親しいものであるから

 


遠く、複雑で、形ある

屋根の上にも、休日の道の向こうにも浮かんでいる

 


白昼の月、空は乾いている