2020-12-21 「濃い」 毎日の詩 グラスの中にさくらんぼが水面を揺らす 重いミルクと秋が混ざったみたいな色で夜にいる 複雑さ、草を食んだ生き物の生み出したものや、たくさんの植物の果てと死の堆積 特別な飴をあげたい 持ち運べるほどの、甘いものを固めてあなたの傍へ 複雑なものを探して集めて固めて 小さな部屋の中でも地球を回すような一粒を また、濃い色彩がどこかで揺れる グラスの中で、窓の外で、海の上で、まぶたの裏で たとえば同じ夜があなたの中にある気がするのです 得体の知れないものたちが見せるその光を どう伝えたものかわからないけれど