「モラスコ」
太陽がある
砂粒と波が踊って、これは夏の音
足跡が増えるたび、心躍らせて
夕焼けの頃には無くなる軌跡をどこかに写しておきました
モラスコ、陽射しと皮膚はここ
モラスコ、見果てぬ季節はここ
焼ける汗、尖る貝殻、海水は染みて、布団さえ熱い
あふる温度の流れていった
予熱を帯びた頭蓋の中で夜風に咲く
星空がある
光線と闇が描いて、これは夏の色
同じキャンバスに、指を交わせて
朝起きる頃には忘れる形をどこかに沈めておきました
モラスコ、湿度と皮膚はここ
モラスコ、過ぎ去った季節はここ
ぬるい風、薫る雑草、家屋は唸って、月夜さえ眩い
あふる光の止まって消えた
夜露に濡れた頭蓋の中で朝日に咲く