朝ノオト

空想に遊ぶ

「忘れる」

 

傷ついた植物、歪に伸びて

表面は歴史を刻み、愛おしや

 

膨張する夢、不安に綻びて

予熱は予感を帯び、愛おしや

 

もう忘れたものが多く、この体が動いている

触れられれば忽ち

空気の間に励起する

わたしは青い森、若い鳥、街が立ち上がる

 

こうも自在、こうも愉快

あの砂の城、とまらぬ不定形に歓ぶ

 

もう忘れたものが多く、この体が動いている

触れられれば忽ち

空気の間に励起する

わたしは白い泡、古い鉄、群が立ち上がる