「トーチ」
きっかけは自由自在
その篝火は気持ちのままに照らします
犬は吠える、目を剥いて吠えている
無視できない存在を見つめている、どうしても
ここは、歩くには暗すぎて、見渡すにはあまりに不確かだ
想像次第でなんでもあるはずなのに
手を伸ばしても何にも触れない
犬は吠える、まっすぐに意識を放つ
無視できない存在が照らし出される、どうしても
その実、吠えることしかできない
穏やかにあっても、激しくあっても、目を閉じることではなく
光は直進しかできないまま、僅かな側面を照らしだす
ひとつの表面を見ている、ひとつの側面だけをみる、それだけを、みな、すべてのけもののととき
そして、いくつかのことを告げようと思います
ひとつをこめて、ひとつでありながら、ひとつのために
不安定な言葉でなく、道具でなく、意味でなく、本当になるまで、ずっと
わたしの心のかたちはこういうものです
わたしの愛のかたちはこういうものです
わたしの命のかたちはこういうものです
往く先は自分次第
その篝火は気持ちのままに照らします