朝ノオト

空想に遊ぶ

「入水」

 

乾涸びる

 

ひとおもいにではなく、じりじりと皺を刻む

 

水面の光だけを掬って浴びたいが

疲れ果てた体はその術を持たない

僕ら哀れな芋虫のようで

このひとときの清涼のため欄干より入水する

 

重力はものを考えるか

全身を伝う水のような自由を想像するかと

 

水面に憧れ歩けばシーボルト、またシーボルト

はりついて、心などない