2021-01-30 「道具」 毎日の詩 オレンジ色の実用 汚れるために白があり ゴムを纏ってその時を待つ 人ならざるの動力はずしり 手のひらの上に 木を切り、木を削り、木を磨いた 指の皮は無事のままに 鑿は血に滲むことなく 三日三晩はなにゆえに 千夜一夜は疾うにさり 幾星霜は鳥の鳴く頃 待たずして光を写す 腕力でなくビルが建つ 靴を履かずに異国へ往く 作りたいのである わたしの道具を あなたががこうするまでもなく 手のひらの上に