朝ノオト

空想に遊ぶ

「道具」

 

オレンジ色の実用

汚れるために白があり

ゴムを纏ってその時を待つ

人ならざるの動力はずしり

手のひらの上に

 

木を切り、木を削り、木を磨いた

指の皮は無事のままに

鑿は血に滲むことなく

 

三日三晩はなにゆえに

千夜一夜は疾うにさり

幾星霜は鳥の鳴く頃

 

待たずして光を写す

腕力でなくビルが建つ

靴を履かずに異国へ往く

 

作りたいのである

わたしの道具を

あなたががこうするまでもなく

手のひらの上に