2021-03-27 「目メ」 毎日の詩 見ている 食いしばる歯の重なる力を 見ている 溢れはしない言葉を湛えた血色を 眼球は綺麗、空気に染みて、あなたの断片を拾う 語尾が、香りが、距離感が、肌色が見える わたしは見ている全霊でいて 一つ腕を振ると見える 歩けば、抱きしめれば、向き合えば、思い出せば見える この身に目、目、目、全霊として 浮かび、描かれ、映り、触れる 焼きついて焼きついて、ついに注がれる明瞭の月 さめた器はとうとう溢さないのだろう