朝ノオト

空想に遊ぶ

「目メ」


見ている

食いしばる歯の重なる力を

見ている

溢れはしない言葉を湛えた血色を

 


眼球は綺麗、空気に染みて、あなたの断片を拾う

語尾が、香りが、距離感が、肌色が見える

わたしは見ている全霊でいて

 


一つ腕を振ると見える

歩けば、抱きしめれば、向き合えば、思い出せば見える

この身に目、目、目、全霊として

浮かび、描かれ、映り、触れる

 


焼きついて焼きついて、ついに注がれる明瞭の月

さめた器はとうとう溢さないのだろう