2021-03-27 「明日と花」 毎日の詩 声と闇、白い気配、雲の向こう /渇ききって罅割れる肌 遠く鳴って生まれている /命にとっての愛であった形は固定され、もう薫らない 湿気を帯びて潮風が撫でてゆくのを瞬きもせず待っていた /甘い蜜は、指先の鮮やかさは疾うの昔に使い果たして眠った 曇る空に月が明るく、逸る風には波がざわめいた /雨が上がった何処かの土で小さな芽が祝福されている 雨粒が頬に触れてもわたしはまだ温かい