朝ノオト

空想に遊ぶ

「明日と花」

 

声と闇、白い気配、雲の向こう

/渇ききって罅割れる肌

 


遠く鳴って生まれている

/命にとっての愛であった形は固定され、もう薫らない

 


湿気を帯びて潮風が撫でてゆくのを瞬きもせず待っていた

/甘い蜜は、指先の鮮やかさは疾うの昔に使い果たして眠った

 


曇る空に月が明るく、逸る風には波がざわめいた

/雨が上がった何処かの土で小さな芽が祝福されている

 


雨粒が頬に触れてもわたしはまだ温かい