「枝豆 / 粘土」
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2021/06/21
鞘なしに生きてはゆけぬ柔肌で、だが薄皮も脱し緑い
パーソナルスペースを剥ぎ取りたいと思います
外科的試みは臨むべくもなく、脳を切ればいいですか、枝豆のつるりとしたカタルシスに嫉妬する、剥いてくれ
精神科の先生方と私たちの間にはすでにスペースがあり、いずれ浸潤するなら別のが良くてたとえば徒歩5分の22時過ぎても
あるいは知らない宿にひとときの逢瀬、90分間のぼくらアダムとイヴ、言い換えてもその気にはなれず粘膜広がり窒息する
指なのだと思います、その指あるいは唇、あなたたちがそうされたように、そうしてもらったように、明確な意思で以って侵害されねば、這入らねばスペースは不変
まだ人の形をしていない粘土、脱出の形をしている枝豆
剥ぎ取るようなことを思うのは夢ではなくて、この肌はこんなにも小さく近くまとまっている