2020-12-09 「在る」 毎日の詩 衣替えに出遅れて風邪をひいた頃、庭の木に赤い実が成っていることを知った 0時を回る道路には老人の緩やかな逢瀬があり、異国の人達の別れがある 線路が静かになっても牛丼屋の明かりは煌々としてふらふらとスーツを寄せる それぞれの屋根の下には土曜日の朝が寝息を立てていて、クローゼットに相応しい服が揺れている 名残惜しさと期待に構わず、この瞬間にも地面と太陽は共謀して、回転して、次を連れてくる