「犬の詩」
ああ、犬を存分に撫でた後に何を書こう
ちょこんとちいこい可愛いやつにねだられて抱き上げると質量までかわいいことがわかってしまう
愛い毛玉、ぴょこぴょこと揺れて跳ねる
何やらくわえて真っ直ぐと全身で、すべての毛でもってこちらをみている
他のことなどまるで知らない様子でぢっと
わたしの方は、その脚の先の緊張から尻尾の動きまで目移りし、多くの毛玉が頭に揺れる
ありし毛玉、ありえる毛玉、解釈される毛玉、過大評価される毛玉、見過ごされる毛玉、望まれる毛玉、予想される毛玉、期待される毛玉、意外な毛玉、毛玉、毛玉、その詳細を……
そしてそして刹那がすぎると、犬がいる
断然に存在する毛玉としてなんと温かい!
身重な想像をひょいと飛び越え、胸に居る
かわいい毛玉、かわいい毛玉、かわいくて仕方がない
ああ、犬を存分に撫でた後に何を書こう