朝ノオト

空想に遊ぶ

「夜の机」


影の静まった暗くておそい時間のこと

置いていかれたものたちのこと

 


夜の机、電柱、スーパー、濡れたままのシンク

 


忘却にさらされる靄のようなその瞬間に、なおも持続している

もたれることなくぴんと立ち、観察されることなく光沢する

未明、夜は形なき反響に溢れている

 


皆が寝静まる頃、あくびみたいな光が世界を包むとき

皆が息をする、首を回して、伸びをする

動かぬ者たちも息をする

 


夜の机、電柱、スーパー、濡れたままのシンク

我々のしらない継続の中で息をする