2021-04-23 「夜の机」 毎日の詩 影の静まった暗くておそい時間のこと 置いていかれたものたちのこと 夜の机、電柱、スーパー、濡れたままのシンク 忘却にさらされる靄のようなその瞬間に、なおも持続している もたれることなくぴんと立ち、観察されることなく光沢する 未明、夜は形なき反響に溢れている 皆が寝静まる頃、あくびみたいな光が世界を包むとき 皆が息をする、首を回して、伸びをする 動かぬ者たちも息をする 夜の机、電柱、スーパー、濡れたままのシンク 我々のしらない継続の中で息をする