朝ノオト

空想に遊ぶ

「爪」

333

2021/06/04

 

 

暗闇に雨、

聞いてない雨が降って私、玄関に駆けてく

走る体、感じているわたし、5秒間

 

「走る」がいなかった、からだ

「走る」がこうでなかった、わかる

「走る」が抜け落ちた、からだ

 

山の坂を駆け降りた帰り道を覚えている

私と同じくらい体が青年の

重力にとろける感度と実践のモーション

 

「走る」のないからだの中で物想う

掻きむしる頭、入力するスクリーン、裂けたビニル

握りしめ食い込む行動

爪が伸びているからだ

 

どこまであっただろうか

何度も切って、また伸びている