朝ノオト

空想に遊ぶ

「不断」

やめないとめないから倒れない 転倒を続けてあるいは回転して前進 ノーダメージ、否、肉体は壊(かい) 経験よりも先天性ゆえに永遠、我思う 真似せよと言えないが、無自覚はグロい、今も鼓動、疲労、希望、絶えず、思う その機関、その形、その熱を認めて 終…

「ちくわ Fly High」

飛ぶ空洞、加速する 青空に映える魚肉の夢、ハイレゾリューション 明確、爽快、大殺界、不気味を吹き飛ばしたい、絶対 飛んでほしい、飛んでほしい、ちくわに飛んでほしい、屋根まで飛んでほしい、青く溶けるまで飛んでほしい 加工された喜びが屈託なくどこ…

「皆様」

はじめまして モテたくて████で████をしていますが、完全在宅なのでただの引きこもりです、ありがとうございました 朝に弱く、機械に強いです 適当な街に行って散歩するのが好きです 機嫌のよさと穏やかさだけで人生を乗り切りたいです、よろしくお願いします

「装」

創作をするたび心ほそくなり、指輪が増える 朝4時の裸体、洗われてなんと気持ちが良いことか 無意識に滑らかな肌にあり、知らぬあいだにに免れている 複雑な色が在っても別に見せたくはない 独り身に日々の広さは十分で、重たい服を着ていたい 抱きしめて肌…

「脱皮」

使い古したお決まり(やぶれかぶれ)のスタイルが 自他ともに苦しいままに浮ついて進行してゆく 笑い戸惑い、夢中を晒し、不用意に共感し、その実、黒を白だとしても気にしない

「下戸」

酔えない男 わたしは酒の飲めぬ男としてあなたと過ごしたい 間抜けに、今にも爆ぜそうに溢血する赤ら顔で微笑むことなく、そんなわたしの記憶をあなたの脳みそにいっぺんも残すことなく生きてみたいと思う 酩酊を捨てて、揺れる月と別れて、あるいは、想像を…

「Valve」

蛇口、捻ると際限なく shy pose Feel the 軽薄に笑み浮かべsinging bird あれから好きな曲は変わらない、知っている曲も変らないけど 電子音が自然な夜、電球色の灯り Anything will be fine そう最高 蛇口、捻ると屈託なく sly face Feel the 心臓はもう愚…

「休息」

休息は、布団の中にありますか 湯船の中にありますか 散歩道の途中に、芝生の上に、あの街に、近くの中華料理屋に、この通信のなかに、声の中に、ありますか ひとしきり考えて分かりませんでした 食事をしました、知らない道をたどり、お目当ての店で そのま…

「考え中」

うつむけば暖かく、うずくまれば暖かい 塞ぎ込めばくるくると回転する

「蒸気機関」

空腹、ゆえに指先は冷える 飢えてはむしろ空洞から嗚咽しそうになり 肉体は燃焼を続けたがっているのだと知る 眠れば忘れてくれまいか、眠れば止まってくれまいか 床に就けど、なお昂る体は射精する この運動は繰り返す この鼓動は繰り返す この乖離は繰り返…

「なんでもない」

よく食べよく動く ゆっくり風呂に入ってたっぷり寝る 起きるとすこぶる体調が良く、空も青い 少し泣きそうになって、なんでもない 意味もなく歩く 知らない駅で知らないものを探す 知らない地図をまた一歩と埋めてゆく 少し息が上がって、なんでもない 未来…

「火炎」

あらゆる灯りが神経に触れる 辟易は常態化し、不快にゆらめく 風は流れていないと気持ちが悪く 燃えるたましいはこの箱にしまっておけない 熱を持たねば、燃やさねば、ゆらめかねば在り続けられぬならいっそ消えてしまいたいと思うが、赫く熱い心臓の前で、…

「わたし」

たとえば顔を洗って見上げた鏡に 祖父の骨が映っている 仕事終わりの靴下の匂いの中には 父と弟がにやけていて 台所のあちらこちらには 母が動いている やがて、眠りすぎる枕の上で 幼き日のわたしが落ちてゆく 寂しく感じて小さくなる体には あなたの気配を…

「眠い夜」

暗くなってご飯を食べたらもう眠たい 何もせず、何も起きない1日が甘い微睡みで終わろうとしている 詩のない体は健やかですか 温かい服に包まれて何の夢をみましょうか ここにある心は何になりたいですか 12時間眠れば爽快、起きたら何をしようか よく疲れて…

「靴を磨く」

ひからびた靴を磨く みるみる潤いを取り戻し、光る 私が眠って起きてを繰り返す 多くのものが朽ちて腐って去ってゆく 革も少しずつ乾いてゆく くたびれた靴を磨く ふたたび艶めきだして吹き返す 私の形を帯びてゆく 私が眠って起きてを繰り返す 多くのものが…

「明け方」

大きな時間がある 魚にとっても水が冷たいし、 木にとっても日差しが強い 私にとってもあなたがわずらわしいし、 詩人にとっても詩は暗い 毎日が来る、毎日が来る 鳥にとっても空は高いし、 海にとっても波が落ち着かない あなたにとっても命は長いし、 地球…

「描かれる脈動」

皮膚の下のやわらかな走行線 赤く碧色の象形は弛緩して浸潤している どこまで近づけば、止みますか どこを破れば、多く溢れますか どこをさわれば、穏やかでありませんか 沈黙して、にわかに紅潮する 産毛は無自覚にふわりとして その皮膚は、表情は、この指…

「空間と試行」

たくさんの四角のどこかに石を置く パチリパチリと置いてみる 偶然はそうそうには起きないからまた最初からを繰り返すことになる たくさんの四角のどこかに石を置く パチリパチリと置いてみる 良い気配を生むことがある あるものは描き、あるものは繰り返し …

「カフェイン」

脳が充血している 視界は砂嵐に浸って 手のひらと、力のあいだがここにある 皮膚は感覚器であって、実体であるとめまぐるしい入出力が言う 高揚、思考が過去には存在し得ない ここに鉄の冷たさが走る

「陽光の詩」

私は微睡みの中に完成して それは時に、ある日曜日の太陽に揺れるカーテンの写真によって叶います 美しい表皮は光を拡散するので、充足はとても多くあり 記憶以外を残さないから永遠です あらゆるものが息をしている 温かい揺らぎの中で微睡むことができる …

「マイフェイバリットおたま」

超イカすおたま もう鉄の棒 軸は太けりゃ太いほどいい 持ち手には黄色い木 溶接はぼってりしてる 何を掬っても曲がらない 中華鍋にも負けないし、胡桃も砕ける 毎日使えるタフなおたま 曲がらないおたま マイフェイバリットおたま

「ei」

首や目線、記憶 揺らし発信 行方不明、ひどく酩酊 混ざらない 絵になる先っぽ 絵になる先っぽ 絵になる先っぽ ei , say hello 意味や偽善、過酷、果てて吐露 予想地点、つまり未定 見果てない 絵になる先っぽ 絵になる先っぽ 絵になる先っぽ ei , say how lo…

「RUN」

走り出した 思うより先に 速度の中で心は躍る もう肉体は嬉々と引きちぎれ 前へ前へと崩れゆく 求めるよりも先に 私たちは喜ぶ

「木の少年」

少年は停止していた、木を演じていた 舞台の上で物語を繰り広げる級友たちを目の前に、観衆の視線を集めるともなく見られながら、木であった 少年はこれは自分のためにある役だと思った それからというもの、昼休みや放課後に時間を見つけては木になった 静…

「匙」

くたびれて粥を掬う 夕焼けの後もこの世は騒がしい 音の遠く抜けてゆく地上にあって 私たちはこうも肩を寄せ合っている この手が、目が、あるいは、思いが、連綿と交わされている (私はどこまでかわからなくなることがある) 今、この手は、粥を掬う 極めて小…

「Second」

ページをめくれば何か書かれていているはずだと思い始めたのはいつからか 次へボタンを押せば、あるいは押さなくても自動で、始まるものたち 歩けば疲れる、買い物せねば冷蔵庫は空のまま、ここにもホコリが溜まるし、選ばねば得られぬ、咳をしても1人 日が…

「うたげ」

犬、猫の動きがはち切れる 瞬間に居り、ここには居ない ほほえみ、空が赤く 山並みは恍惚としますか 季節の虫が夥しく鳴り終わる 貴方が言います、私は覚えていますと 残響はまだ澄んでいます

「あるくあるく」

休みの日はあるくあるく 知らない街をあるくあるく 知ってるものが多いあるくあるく 知らない方へあるくあるく 知らない人とたくさんすれ違ってあるくあるく すれ違うだけあるくあるく どこかから演劇の声が聞こえたあるくあるく ラーメン食べてあるくあるく…

「無常草」

白き河原にの石に蟹 あわれ、横歩きに物語を見過ごす わざわざに上へ佇む風見鶏 空が晴れたらまた飛びますか 気の急いて、気の急いて 広すぎる部屋に焦ったひとり、鎮まって 死に体の庭に積もって蟻の往く はやきこと多く、多く、あまりに多く また一つさえ…

「悦びは星」

物言わぬ小さなハエトリグモがいつしか一回り大きくなって、パソコンを眺める私の視界を往く 生垣だと思っていた緑にびっしりと金木犀が薫って、雨上がりにはアスファルトを染めていた 私には関係がないが、なにもしていないが、私はみているから、遠くにで…